カスタマーハラスメントとは、何を指すのか

経営労務コラム

2026年10月22日

2026年10月1日、労働施策総合推進法の改正により、カスタマーハラスメント対策が義務化されました。そもそもカスタマーハラスメントとは、何を指すのでしょうか。厚生労働省の定義によれば、①顧客等の言動、②要求内容または手段・態様が社会通念に照らして相当性を欠くこと、③就業環境が害されることの3つを、すべて満たす場合に該当するとされています。「正当なクレームとの違いがわからない」「お客さま相手に、どのように対応すべきか判断に迷う」という声は、現場でよく聞かれます。まずは、カスハラと正当なクレームの線引きを整理しておくことが、対応の第一歩になります。

線引きの基準は、要求の内容と、その伝え方の両面から見ます。契約や商品・サービスと関係のある要求か、理由に相当性があるか、対応が可能な範囲かを確認します。あわせて、暴力・脅迫・侮辱・土下座の強要・長時間の拘束といった手段がないかも確認します。

強い口調だったというだけで、直ちにカスハラに該当するわけではなく、態様・頻度・継続性などを総合的に見て判断することが必要とされています。

※ 正当なクレームとされる例には次のものがあります。

  • 商品やサービスの不具合について、交換を求める
  • 従業員の説明不足について、再説明を求める

いずれも、事実に基づく指摘であれば、カスハラにはあたらないと考えられています。障害のある方への合理的配慮の求めも、同様です。

線引きを社内で共有しておくと、現場の判断のばらつきが減り、対応に迷う時間が短くなります。お客さまに対しても、正当な要望には変わらず誠実に対応する姿勢を保ちながら、許容範囲を超える言動には毅然と向き合えるようになります。結果として、従業員を守り、会社を守ることにつながります。

今すぐ確認しておきたい、カスハラ該当性のチェックポイントをご紹介します。

1.顧客等からの言動かどうか

事業に関係する相手からの言動が対象です。取引先、施設の利用者なども含まれます。対面だけでなく、電話・メール・SNSでの言動も対象になります。

2.要求内容や手段・態様が相当か

契約や商品・サービスと関係のある要求か、理由に相当性があるかを確認します。暴力・脅迫・侮辱・土下座の強要がないかも、あわせて確認します。

3.就業環境への影響があるか

従業員が身体的・精神的苦痛を覚え、就業に看過できない程度の支障が生じているかどうかを見ます。

4.総合的に判断する

強い口調というだけで判断せず、態様・頻度・継続性を踏まえて、事実関係を丁寧に確認したうえで判断することが必要と考えられています。

まとめ

カスハラへの対応は、お客さまを一律に疑うことではありません。正当な申し出には、これまでどおり誠実に対応しながら、許容範囲を超える言動には、線引きをもって向き合う。その整備が、従業員とお客さまの双方にとって、安心できる関係につながります。

社会保険労務士法人ゆうあいパートナーズでは、カスタマーハラスメント対策の社内方針づくりから、就業規則への反映まで、あわせてご相談いただけます。

Contact

お問い合わせ