
2023年10月30日
先日知人が開催した音楽イベントに行ってきました。
知人には、知的障害がある妹さんがいらっしゃいます。その妹さんが19歳になり、障害者就労継続支援施設で働き始めましたが、その工賃はとても低いものです。
一般的に障害者の就労については、一般企業での雇用が難しい場合には、「就労移行支援施設」で職業訓練を受け、一般企業での雇用を目指します。
それも難しい場合には、「就労継続支援施設」で働く機会を得ることになります。
A型とB型があり、A型であれば雇用契約を締結するため最低賃金は補償されますが、B型は雇用契約を結ばず、 A型よりも簡易な作業となり、賃金ではなく工賃(R3年度の平均工賃は1時間233円)が支給されます。
障害の程度が軽度であれば A型での仕事が可能ですが、重度になれば難しくなります。
また、国は一般の企業に対しても、障害者を一定数雇用することを義務付けていますが、なかなか進んでいないのが現実です。
会社が障害者を雇用するには、車イスの方用にバリアフリーを設けたり、細かいマニュアルを作ったり、作業をフォロー・チェックする人員を配置したりと、対策を取ることが必要となる場合が多くあり、会社や従業員に負担がかかることもあります。
そこにハードルを感じ断念してしまう会社が多いのが現実ですが、実際に取り組みをした会社からは前向きな声も上がっています。
「障害者が働きやすいように職場環境の見直しを行ったことで、他の従業員も作業しやすくなり、企業全体の労働生産性が向上した」
「既存の業務を細分化し、その中から障害者の特性に合った業務を選定して任せることで、他の従業員もさらに効率的に業務に取り組むことができ、それぞれが能力を最大限に発揮して企業全体の生産性が向上した」
実際には綺麗ごとでは済まない部分もたくさんあるかと思います。
しかし、子育てや介護との両立支援にも言えることですが、社会全体で取り組む問題であることを認識し、無理のない範囲でできることから始めていくのが大切なのではないかと考えます。
前出の知人は、妹さんが一生懸命働いたその作業に対し、充分な賃金を支給してあげたいと、自ら「就労継続支援施設」を開設するべく今頑張っています。
先日の音楽イベントは、妹さんが好きな音楽で、障害者も健常者も一緒に楽しんで繋がれる空間を作るために開催されました。
参加して、やはり音楽は国境を超え、人種を超え、年齢を超え、人々を一つに繋いでくれるものだと感じました。
私も自分なりにできることを始めていこうと思います。